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 質問編 1

  Q) 霊能者には未来のことが分かるのでしょうか?

A) 皆さんにまず認識しておいて頂きたいのは、「霊界には時間がない」ということです。地上の時間に相当するものを敢えて言うならば、「状態の変化」です。
「状態の変化」の連なりを、「順、道筋」と言います。

「時間がない」のがどういうことなのか、皆さんにはイメージできず、実感の持ちようもありません。ですから、認識ーー頭で分かることーーで十分です。
時間とは、あくまで地上の概念なのです。
皆さんは時間に制約され、規定されています。日常のほとんど全ては時間に合わせて動きます。何時何分という数字ではなく、日が昇り日が沈むのも“時間”と同じ意味です。

ですから皆さんはつい、「いつ?」という時間を切り口として何かを知りたがります。地上的な生命が限定され、そして日常も時間の支配を受けている以上、それはある意味仕方のないことでしょう。

これらのことを踏まえた上で伝えます。
霊界には時間がなく、状態の変化や順・道筋があるということは、「次にこうなる。いずれこうなる」ということに関して、霊界においては明らかになっています。その内容は全て情報としてすでにあるのです。

いわゆる霊能者は、そこにある情報につながり、受け取るのです。
受け取り方は、霊界の住人である守護霊・指導霊を通じての場合、あるいは他界した近親者、あるいは働きを共にする霊団だったりします。
ただし、「神」に教えてもらうのではありません。

皆さんが地上に生まれる時に意志したのは、「今回の人生で何を学び、何を為すのか」です。今回の人生という単位で決めてきたことです。そこでは、いつ、何時(なんどき)であってもいいのです。何歳までに、というものではありません。これが魂の次元・霊界の次元における情報です。

ここで忘れてならないものがもうひとつあります。
それが「自由意志」です。
「魂の意志」は何があっても変えることのできないものです。
皆さんの人生を貫く、生きる目的です。
しかし、「自由意志」とは自分の意志でいかようにもできるものです。
皆さんは霊界から離れたことで時間という制約・規定(限定)を受けますが、同時に自由意志という「自由」を手にしているのです。

つまり、自分の人生を一定の制約のなかで自ら選び取る自由を与えられているのが「地上人生」なのです。もちろん、自ら選んだことの責任は自らが負うことになります。

霊界の者は摂理・法則に沿って生きていますから、何かを違(たが)えることはありません。順・道筋のなかで学び、貢献し、喜び、生きています。
そう聞くと、「決まった通りに生きているだけで何の面白味もない」「枠のなかで、自分の気持ちは不自由では?」と感じる人がいるかもしれませんね。

これが皆さんと霊界の住人との大きな違いです。
摂理・法則に沿って生きるというのは、規則やきまりに縛られて生きるのとは訳が違います。摂理・法則とは全てを包括する壮大かつ緻密なものであり、喜びへと向かう流れです。ということは、そのなかで生きるのはこの上ない喜びなのです。

魂の意志によって「人生の目的」は定められていても、大方の人はそれを知りません。日々、自由意志によって選択してく連続です。そしてそのなかで、自ら考え、迷い、悩み、時には失敗し、傷つきもしながら学びます。
皆さんは「人生の目的」という正解を知らないのですから、間違えて当然です。失敗続きの試行錯誤の過程そのものが、地上での学びであり、カルマの埋め合わせです。
しかし、だからと言って、いつまでも「正解」にたどり着けなくては、人生の目的を果たすことはできません。

そこで霊界側はさまざまな形で導くのです。
地上の皆さんに与えられている「自由意志」が「正解」への順・筋道を決める(左右する)のです。どう思い、どう意志するかで、一直線に到達できる人もあれば、何度も回り道をする人もいます。
しかし、導く側からすれば、「一直線でなくとも良い」のです。なぜなら、「いずれはそうなる」と分かっているからです。
つまり、「いずれ」がいつになるのかは皆さん次第ということです。

そこで言えるのは、「どういう自分として生きたいのか。どう変っていきたいのか」という目標と、「そのために今、何をしていけばいいのか。どう努力をするべきなのか。自分のどこを改めたらいいのか」という、為すべき事柄を見極めることです。
そして、それを実際に“していく”ことです。
知るだけ、思うだけ、分かるだけでは全く意味をなしません。
地上は、心を形にして表現する場だからです。

そして、目標を達成するためにかかる時間にとらわれないのが大事です。
「いつ」というのは、「皆さんにとってふさわしい時期に」というのが霊界の答えだからです。

しかし、霊能者によっては、時期や期間を“当てる”場合や、霊能者ではなくても、「いついつ」の分かる人もいます。
けれども霊能者の言う時期や期間が、必ず“当たる”ものではありません。
全てを分かり見通せる霊能者は存在しません。
また、先のこと(未来のこと)についても、それは同じです。
皆さんが霊能者から「こうなる」といくら言われても、その時々で皆さんが選択を積み重ねていくのですから、「人生の目的」にたどり着くまでの過程に関して、道筋はいくつもあるのです。
まして、霊能者から「こうなる」と言ってもらっても、霊能者が受ける情報は皆さんの未来を保証するものではありません。
いくつもある道筋のどれかひとつに過ぎません。
皆さんの自由意志の使い方は皆さん次第ですから、霊能者の言った道筋をたどるとは限らないのです。

“当たる”、“当たらない”に一喜一憂するのではなく、もたらされる情報は「情報のひとつ」として受け取ってください。
未来を教えてもらうのではなく、自ら未来を作っていくのです。
魂の意志に最も近い意識は、皆さんのなかにある「良心の声」であり、「理想の自分の姿」です。
それに対して恥ずかしくない選択を重ねていけばいいのです。

しかし、そういった未来に関する情報全てを否定するものではありません。実際に役立つ場合もあります。
信じ込むべきではありませんが、情報がもたらされたことも導きのひとつなのですし、その情報を受け取ってどう対応していくかが問われるのですから。

「未来が分かる」と断言してしまう愚かさを知らないとしたら、その人は本来の霊界について、魂の意志と自由意志の関係について、まだよく知らないのだと判断してください。

「霊能者には未来のことが分かるのか?」
答えは、「絶対ではない。“当たる”時もある、という程度」となります。
そして、「“分かる“と“当たる”とは違います」と付け加えておきます。