霊界通信 「霊的法則の基本」悠々塾ホームへ

 ひとりひとりの幸せのために

霊界側から地上界への働きかけがあるのは、「地上人類の霊性進化」という大目的のためです。それは壮大で緻密な計画を以ってなされます。そのために長い歳月が費やされるのです。
しかし、霊界からの働きかけはそういった大きなスケールの導きに尽きるものではありません。
皆さん「ひとりひとりの幸せ」をないがしろにしたり、犠牲にするものでもありません。

理想の地上界を目指して、人類が意識の変化を遂げる必要があるのは、全ての人たちの幸せを実現するためです。皆さん方個々の幸せと、全ての人たちの幸せとは矛盾しないもののはずだからです。

自分にとっての幸せとは何でしょう。
何を喜びとし、何を幸せと感じるのか、人それぞれに違いがあります。今置かれている状況の違い、培ってきた価値観の違い、その人に備わっている条件の違いが反映されます。
周囲の捉え方と、その人の思い方は、一致するとは限りません。
幸せそうに見えていても、本人には不満ばかりがあったり、気の毒に思われる状況でも本人は満たされていたり、本人の思い方ひとつで人は幸せとも不幸せとも思うのです。
そこでは「幸せ」とは、あくまでも自分の満足度です。

皆さんは「自分は幸せだ」と笑顔で言えるでしょうか。
自分を幸せだと心から思えている人は、必ず自分以外の人の幸せを願えますし、人の喜びを自分の喜びにできます。
「自分は不幸せだ」と思う人であっても、人の幸せを願い、人の喜びを喜べる人もいるでしょう。しかしその場合、「幸せでない自分」を通しての願い、「幸せではない自分」を通しての喜びですから、そこに「喜びになりきれない何か」が含まれることになります。人のことを自分のことのように、あるいは自分以上に思えるとしたら、当然自分のことも喜び(感謝・安心・誇り・肯定・謙虚・・・)を以って見ることができるはずなのです。

理想の地上界とは、全ての人が幸せに生きられる世界ですから、「個」の幸せなくしては成り立ちません。
しかし、「幸せ」がその人なりの満足度だとしても、全ての人に共通の要素があるはずです。
それが、「自分らしく生きる」ということです。
「自分らしさ」とは、その人の魂がこういう自分を(地上で)表現して生きる、と決めてきた姿です。皆さんにとっての「自分らしさ」は、「こういう人になりたい」と思い描く理想像を言います。
今の自分とかけ離れていてもいいのです。
なぜなら、理想の自分に近づいていこうとすることこそが地上での学び・実践だからです。

皆さんは霊界ですでに学んできました。
「こういう場合には、こう発言する」「こういう場合は、こう行動する」「人にはこのように接する」等々。
これが魂の意識です。
それを物質レベル(肉体レベル)の地上界で、実際に形にするために今、こうして生きているのです。
つまり、霊界での学びや霊界での皆さんの姿は、皆さんにとっての「理想」として捉えられるのです。そこにこそ「自分らしさ」があるのです。

楽をする、自由気ままにする、得をする、それを理想の自分の姿とは思い描けないでしょう。
もちろん、囚われのない心で自由に自己を表現する、おおらかに生きる、という理想の姿もあります。しかしそれは、楽や気ままや得(とく)、というものではありません。

皆さんが思い描く「理想の自分」は、誰にでも優しく思いやりを向ける、正直で素直、自由で伸びやか、というものでしょう。
しかし、自分の現実を見た時、状況・環境・条件・経験からとても無理、と思ってしまう人が多いでしょう。
そういう自分になれると思うことがとても傲慢で、思い描くことすらおこがましいと決めつけてしまう人もいます。
そうではありません。

皆さんが、地上に生まれ、地上で生きる目的を思い起こしてください。神から頂いた神性を輝かせ、人と共に生き、ひとりひとりの輝きを響き合わせて、地上界を照らすために皆さんはここにいるのです。
そうするために生まれてきたのです。

だとすれば「本当の幸せ」―――「自分らしく生きること」を願い求め、それに近づくことこそ地上で生きる意味だと言えましょう。つまり、皆さんひとりひとりが幸せを求めるなかで、支え合うことも補い合い思い合うことも、自ずと生じてくるのです。
今はまだ「自分の幸せ」や「自分の得」しか思えないとしても、皆さんが「こういう人になりたい」と思う心があるならば、必ず「自分だけ」から、「自分も人も」の段階に進めます。それこそが、「自分だけの満足」ではなく、「本当の幸せ」を手にしていく道筋です。

皆さん全てに霊界からの守護と導きがあります。
霊界で学んだ「あるべき姿」に近づいていくことをあなたの魂は意志しています。
絶え間なく導きは続いています。
今、これを読んでいる瞬間も、読み終えて、あなたが何かを思おうとする時も。

私たちが伝えてきた霊的法則の基本は、「人が人として正しく、優しく生きる」「自分も皆も幸せにと願って生きる」というものでした。
法則や真理とは、決して難しいものではなく、皆さんの「理想」と重なるものであり、すでに知っているものだったはずです。

皆さんのなかの憧れや理想を思いだけで終わらせず、現実のものにしていきましょう。