風邪・インフルエンザ
毎日毎日を喜びのなかでのみ生きられれば人は病を得ることはありません。しかし実際にはそうはいきません。事あるたびに、ささいなことであっても、気持ちが揺れたり、くもったり、喜びでない心は絶えずあなた方の心に生まれています。それらは気持ちを切り換えたり、何か他の嬉しいことによって解消されるのがほとんどです。しかしそうはいかない場合もあります。緊張状態が続いたり、“悩み”が解消しなかったり、もたらされる喜びよりも抱いている心の重さの方がまさっていたり、その程度はさまざまです。心に持ちきれないほど重くなる前に、できることなら解消してしまいたいと、心や体は求めます。
それがいつも健やかさを求めている心と体の自然な動きだからです。
ですから一定のかげりがたまればそれを即、排出(発熱・下痢・頭痛・嘔吐・咳・・・その他)しようとします。それがいわゆる風邪という症状を引き起こすのですが、その“一定”とは人によって限界がまちまちです。言い方を換えれば、人が抱く想念に引き寄せられる細菌類が介在してくれて、症状を引き起こすとも言えます。 それによって、排出とともにあなた方の抱いた“かげり”が解消されれば、それだけ「全体」のエネルギーがより明るいものへと向かうからです。
その極端な例がインフルエンザです。より急速に、より“強く”排出する力を持つウィルスが働かねばならないのは、冬という“季節”のエネルギー傾向が、拡散・解放・進ちょくというものとは逆の、凝集・閉塞・収縮というものであり、人々もその影響によって、ためてしまったかげりを出しにくい(解消しにくい)からです。とどめようとする力を越えて排出に至らせるには、それだけの“強さ”がなければならないからです。その作用の強さにその人が耐えられない時には、排出が進みすぎ、「死」に至ることにもなるのです。
いずれにしても、心が弾み、充実を感じ、生きていることを喜んでいることができれば、たとえ“かげり”を抱くことがあったとしても、それはすぐ解消できます。それがためこまれなければ排出の必要もない、ということであり、風邪すらひかない、ということになります。(日々の苦しさやつらさが重くのしかかっている人が、「風邪ひとつひかない」というのはまた別の問題です。意志の力によってさらに強く「とどめよう。出すまい」としているからこそ、それが肉体に現れない、ということです。)