癌
日々の暮らしのなかで、あなた方は、さまざまな思いを抱きます。それは嬉しいこと、楽しいことばかりではありません。そして特に現代社会においては、苦しいこと、つらいこと、つまり不安や心配、報われなさ、あせり、がまんすること、という気持ちが人々の心を重くしています。それだけでなく、ねたみ、憎悪、偏見、対抗心、敵意というものまで抱いてしまうこともままあります。さらにそれだけでなく、満たされなさ(心の、体の)があったり、「分かってもらえない」という苦しさがあったり、と自分の心をありのままに生きることのできない人々がとても多いのです。
そういった心のかげりはある一定まではためておくことが可能です。心にも広がりや深さがあり、つまり、それぞれの人の容量があるからです。
しかし、それも限界を迎えます。その時に、そのたまった心のかげりは肉体に反映され、その毒素は、ひとところにかためられます。
それが癌と呼ばれるものになるのです。それがどの臓器、どの部位に現れるのかは、抱いている心のかげりの内容と対応しています。(肉体の各臓器は心の各要素と対応しているからです。)
人はなぜ病を得るのかを伝えた折に、病とはそれまでの心、生き方と向き合い、気づき、新たに生き直すためのきっかけとすべきものと述べました。ですから、癌という命がけの病を得るということは、「とても大事なことに気づかねばなりません」という信号を受けているということであって、その人が「良くない心を抱いた」からでも、「心がけが悪かった」からでもありません。
その人それぞれが抱くかげりは、その人の人生に設定された“喜びでないもの”に触れることで、持ってしまうものです。無理もないとも言えます。しかし、それを乗り越え、あるいは解消し、喜びを心に満たして生きることが“生きる目的”のひとつである以上、さまざまなかげりを人は抱くことになるのです。そしてさらに“かげり”とは、“良くない心”の代名詞ではないことを繰り返し伝えておきます。