死後、人はどうなるのか
あなた方の人生は、死によって幕を閉じるのではありません。「死んだら終わり」ではないのです。
もちろん地上で使った“肉体”という入れ物は朽ちていきます。しかしその肉体のなかにあった生命そのものは地上を離れた、別の次元で生き続けます。生命そのものをあなた方は「魂」と呼んでいます。「死ぬ」ということは、魂が肉体を離れることを言います。
肉体を離れた魂は、その魂が本来持っている輝きに見合った霊界へ戻ります。霊界、と一口に言っても、それはひとつではありません。魂の輝き、(学び具合)によって無数の段階があり、層を成しているのです。
地上で生きた魂たちは、全てが同じ界層にいたわけではありませんから、その戻る先も、もともとのいたところであり、“違い”があるのです。
しかしながら、肉体を離れて一直線に、元いたところに戻ることができるかと言うと、そうではない場合が多いのです。霊界とは、魂の輝きそのままの世界なのですから、その輝きにふさわしくないくもりやかげりを持ち込むことはできないのです。ですから、元いたところに戻るためには、その前に、地上人生において抱いてしまったくもりやかげりをきれいにしなくてはならないのです。
地上を離れた後、それぞれの魂がたどる道筋にはいくつかのパターンがあります。
今回の人生において、自分が果たすべき役割を全うすることができた者は、どこにもとどまることなく、本来の霊界へ戻ります。そしてそこで次なる学びを始めたり、新たな働きを担ったりします。
大抵の者は、地上から離れた後、しばしの休息を必要とします。穏やかで温かいエネルギーに包まれて、地上時代に負った心の傷を癒してもらったり、満たされなかった思いをかなえたりします。そこで満たされた状態になれば次へと進みます。
次は、自らが今回の人生で「本当はどう生きるべきだったのか」を知る段階です。その時に、生まれてから死に至るまでの全ての場面について、その時々の自分の心、まわりの者の心を振り返り、見せてもらうのです。それはその者の指導霊の、導きのもと行われます。それによって、自分が地上においては分からなかった、自分の至らなさ、不十分さ、人から受けた気持ち等、を知ることになります。そこで改めて、感謝や思いやり、そして喜びを抱くことができた事柄は、その人のテーマのなかから解消されたものとして消えます。後に残った後悔・申し訳なさ、といった事柄については、その者の課題となります。この課題については、それを上回るエネルギーで(霊界において)貢献していくのか、それともその課題を背負って再び地上へ戻るのかの選択肢はあります。 しかしほとんどの場合、地上へ戻る(再生する)ことを選びます。なぜなら、地上で作ってしまったかげりは、本来その次元で解消するのがふさわしいからです。
本来の霊界へ戻る前に、今回の人生で作ってしまったかげりを輝きに変えなければならない。解消し、その喜びを携えてこそ元のところへ戻ることができるのです。
地上へ再び赴く準備は、指導霊・守護霊の導きのもと整えられます。背負った課題を解消するのにふさわしい時期と環境・状況を設定するからです。そうして、次の人生で自分はどう生きるかを確認し、意志して再び地上に生まれてきます。
なかには、地上時代に抱いてしまった深いかげりからなかなか抜け出せない者もいます。強い憎しみ、うらみ、または深い悲しみなどが、肉体を離れてから後も続いている場合です。その心の重さのために、霊界へ戻る直前の「準備段階」にすら入れない者がいるのです。この場合、地上と霊界との間の「幽界」において、その重い心からわずかでも変化がみられるまでとどまることになります。これらの者は地上にとても近いために、地上で生きる者のかげりの心と共鳴しやすく、影響を及ぼしてしまうこともままあります。彼らは憑依霊・地縛霊などと呼ばれ、地上の人々からうとまれていますが、実際は、最も癒されるべき者たちなのです。
同様に、地上時代にあまりに心や体の苦しみが続いた者の場合、しばしの休眠期間を要する者もいます。肉体の苦しさからは解放されても、なかなか心の目が開かれない場合、指導霊の計らいによって傷ついた心を落ち着かせるために眠るのです。また、物質的・肉体的執着が強すぎた場合は、上述の幽界でとどまる者と、この“休眠状態”へ導かれる者とに分かれます。
いずれにしても地上を離れた魂は、全て、その魂の発する波動と共鳴・同調するところへ行くのです。そこが暗い世界であれ、穏やかなところであれ、その魂の“今”の状態にふさわしいところへ引き寄せられる、それがエネルギー的な法則なのです。
しかし、どの次元にいようと、いつであろうと、どの魂も、守護や導きのなかにあるのに変わりはありません。たとえ暗い次元にいたとしても、“いずれは“”その時期が来れば”必ず、その魂にも変化は訪れ、それが生きる次元を変えていくことになるのです。
明るい霊界へと戻った魂も、永遠に「学ぶこと」・「貢献すること」を続けます。そうしていくことが魂の欲求であり、喜びだからです。