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 その人の生きる目的

 37歳主婦、2児の母。夫はサラリーマン。

あなたの今回の人生の目的は「不満を越えて喜びを分かち合うこと。求めるだけでなく、与えることの喜びを知ること」です。
これまでの暮らしのなかで、あなたはずい分と“不満”を口にしてきました。夫への不満、夫の家族への不満、自分の暮らし向きから子供の育ち方に至るまで。そのもとになっていたのは、「他との比較」でした。比較においてそれぞれのものを見るから、そこで不満が生まれるのです。「うらやましい」と思う対象と引き比べて物事や人を見るから、どこまでいっても゛満たされること゛につながっていかないのです。
そして同時に、それがもたらされていない(与えられていない)自分を基準にするから、自ら与えていくこと、認めていくこと、変えていこうとすることにつながってはいかないのです。

かつての人生(前世、過去世)で、あなたはいつも“満たされた人たち”を目にしていました。そして自分もそうなるものと信じていました。愛し愛されるなかで生きることや、自らの輝きを発揮して働きを成すこと、人々から慕われ自らも人を慈しむこと・・・。

しかしながら、あなたが思い描き、望んでいたような生き方暮らし方は実現しませんでした。なぜなら、あなたと“それぞれの人たち”は皆、違っていたからです。それぞれの違い、それぞれの能力に応じて働きの場が与えられ、そこで精一杯のことをするからこそ、その人は喜びに輝くのだ、ということにあなたは気づかなかったのです。そこではそうならなかった自分を不満に思い、そうである人々をうらやみ、あるいはねたましくすら思ってしまったのです。どうして自分には与えられず、その人たちには与えられたのか、と。そこから派生して、求めることの方に(自分が、手放さず、持ち続けることの方に)気持ちの重点が置かれたのです。与えることをしなければもたらされることもないのだ、と分からぬままに、です。

今回の人生であなたは“全く与えられていない”のではありません。むしろたくさんのものを与えられているのです。夫や子どもとの暮らし全体を見回した時、あなたが抱くほどの“不満”の種は極めて少ないことに気づかねばなりません。むしろ、自分が今まで以上に優しい言葉や思いやりを向けていけば、そこから大きく花開き、実を結ぶものがあるのです。せっかく持っているあなた自身の光の部分・・・(それは明るさであり、親しみやすさであり、楽しさです。)・・・を、“不満”と“比較”という雲でおおってはなりません。
あなたが「求めて与えられなかった」と思っている親からの愛情は、あなたには見えない形で与えられていたことを思ってください。自らの身に置き換えてみれば分かります。思っている通りに自分の子供に愛情を“表現”できていますか。彼らは“示されていなくとも”あなたからの愛情を実感できているでしょうか。
実際はあなたは2人の子供をそれぞれ大切に思い、何とか健やかに(「優秀に」というのはあなたが強く求めていることではあっても、です。)育ってほしいと願っているはずです。かけがえのないその子たちのことをどのくらい思っているかはあなた自身がよく知っていること。それと同じようにあなたの両親もまた、あなたを思ってくれてはいたのです。伝えきれないままにあなたを育ててしまっただけです。
夫にしても同じです。あなたを愛しているということを“あなたの求めるようには”表現できないだけです。その目でもって彼を見てみれば、誠実にあなたに向き合う彼の心が見えてくるはずです。
自分のまわりにあってそれが内側にどんな輝きを秘めているのか気づかないものはたくさんあります。それに気づかないのはあなただけではありません。今、多くの人が、他との比較のなかで「与えられているものを喜ぶ」という心を忘れかけているからです。今もたらされている数々の恵みに感謝していくこと、自分のいちばん優しい心で愛情を交わすべき者たちに接していこうとするところから、改めて始めてください。自分との距離が近い者ほどその輝きがよく見えていないのですから。
自分が心を向け、気持ちを注ぐことをし続けることに“損得”の気持ちを持たないようにしてください。与え続けることで必ずあなたには得る喜び以上の“与える喜び”が分かるようになりますから。